2026.09.03
豊平川の野生サケを次世代へ。10年間の産卵環境整備活動



道興建設株式会社は「生物多様性さっぽろ応援宣言企業」として、札幌市内を流れる豊平川においてサケの産卵環境整備活動を2017年より約10年にわたり継続実施しています。国・研究機関・市民団体と連携した産官学民一体の取り組みとして、2025年は8月31日・9月1日の2日間、平和大橋上下流の左岸・右岸エリアで環境美化と生態系保全作業を行い、サケが自然産卵しやすい河床環境の維持と、市民が安全に観察できるスペースの確保に努めました。
活動の概要
【活動場所】
札幌市豊平川 平和大橋上下流エリア
- 左岸: 平和大橋下流 340メートル区間
- 右岸: 平和大橋上流 200メートル区間
重機2台を投入し、水路周辺に繁茂した樹木の伐採や、1.5メートル超に成長した雑草の刈り取りを実施。水路内のゴミ拾いは人力で丁寧に行い、河道内の環境を整えるとともに、多くの市民がサケの産卵を安全に観察できる環境づくりを推進しました。
今回の活動には、当社が施工中の8現場から職員・作業員が集まり、現場の枠を超えて総勢16名で一丸となって取り組みました。
取り組みの経緯と歩み
この活動は2017年にスタートし、今年で約10年を迎えます。土砂堆積によって産卵床が失われた水路の復旧を、市民団体「札幌ワイルドサーモンプロジェクト(SWSP)」が提案したことがきっかけです。提案を受け、国立研究開発法人土木研究所寒地土木研究所・札幌市さっぽろサケ科学館・北海道区水産研究所(現・水産研究・教育機構)・北海道開発局が連携し、当社は社会貢献活動として全長120メートルの産卵水路を設計・施工しました。掘削により水を通して堆積した泥を除去し、河床の礫(れき)を復活させることでサケが産卵しやすい環境を取り戻しました。
この取り組みは社会的にも高く評価され、2018年には全国建設業協会より「建設業社会貢献活動功労者表彰」を受賞しました。
同年、大雨で水路が閉塞する被害を受けましたが、2019年および2025年に流入口を上流へ延長し、現在は全長340メートルの水路として維持されています。10年にわたる継続的な整備によって、今やサケの重要な産卵場所となっているほか、ハゼ・フクドジョウ・ヤツメウナギ・ウグイなど多様な魚が生息する豊かな自然空間へと進化を遂げています。
担当者コメント
ここ数年、北海道でもサケの来遊数の減少が懸念されていますが、この水路にはサケが戻ってくるだけでなく、さまざまな魚がすむ豊かな生態系が形成されてきていることを実感しています。だからこそ、この貴重な自然環境を次世代へ引き継ぐために、毎年の手入れを絶やさず続けていきたいと考えています。ぜひ多くの市民の皆さまに足をお運びいただき、豊平川の豊かな命の営みを感じてもらえれば幸いです。
道興建設株式会社 技術部長 伊藤 善和
皆さまもぜひ、豊平川へ
例年9月下旬〜11月中旬頃、サケの遡上・産卵の様子を観察いただけます。河川敷へお越しの際は、増水や足元にご注意の上、サケの産卵を静かに見守っていただきますようお願いいたします。